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解体修理で明らかになった建立当時の姿へ復元。
往時の板葺きの美しさとなめらかな曲線美が再現されました。 |
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▲改修後写真 |
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▲改修前写真 |
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兵庫県の南東端に位置し、北に丹波連山を望む猪名川町。豊臣政権と徳川幕府を支えた銀山の町としても知られるこの町の肝川地区でその優雅な姿を伝えます。創立は明らかではありませんが、応安元年(1368)以前に誕生していたと言われる肝川村の鎮守として祀られ、明治になって戸隠神社となるまでは「氏神九頭大明神」と呼ばれていました。棟札によれば、本殿は大永4年(1524)の上棟。なめらかな曲線美をたたえた板葺きの春日造の屋根を冠し、当時の建築様式をよく伝え、昭和54年に国の重要文化財に指定されています。 |
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破損が著しいこともあり全体的な解体修理に取り組みました。解体工事に伴って調査を行った結果、当初の技法と後年の修理内容が明らかになったため、建立当時の姿に復元することが可能になり、とりわけ木部と屋根はほぼ当時の姿に戻すことに成功しています。

復元箇所としては、
1.土台を撤去して身舎及び全面の縁束を礎石立に戻す
2.切りつめられた浜縁を戻す
3.向拝虹梁上に蟇股を復元
4.身舎背面床下に片引戸構え、両側面床下に板壁を復元
5.屋根杉皮葺を板葺きに戻す
屋根の葺き替えでは、全面に杉柿板を施し、
頂部から軒先へ流れる曲線のなめらかさと合わせ、往時を偲ばせる美しさを再現しています。 |
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▲竣工梁間断面図 |
▲竣工桁行断面図 |
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