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臨済寺本堂
臨済寺本堂
静岡県静岡市
年度………XXXX年
施工内容…
今川義元、徳川家康ゆかりの臨済寺。
京の都を範とした優美な方丈建築を復元。
臨済寺は、享禄年間(1528~31)に今川氏親が三男の梅岳承芳のために開いた寺(善得院)で、天文5年(1536)長兄の氏輝が若くして亡くなったため梅岳が還俗して義元となり、ここに葬られた氏輝の戒名から臨済寺と改名されました。当初の伽藍は武田信玄により焼き払われ、再建後は徳川家康の軍勢に焼かれましたが、家康は攻撃に際し再建をする約束をしており、天正15年(1587)に諸堂仮建立がなされました。慶長12年(1607)復興のための検分、14年には莫大な資財が寄進され、本堂、庫裏、山門など現在とほぼ同規模の伽藍となりました。昭和58年、国の重要文化財に指定されています。
本堂は正保2年(1645)に玄関を増築後、江戸時代を通じて度々修理・改造がなされ、当初の柿葺を茅葺に改めた姿で明治維新を迎え、明治20年((1887)には桟瓦葺となり、建物外観も変化しました。今回の修理では、本堂の屋根、小屋組、軒廻り、雑作、正面・側面廻りの軸部を解体しました。また、玄関は全体を解体して後世の盛り土を撤去し、地下に残る地盤を現し、本堂屋根を柿葺、玄関屋根を檜皮葺とし、正保2年当時の形式に復しました。堂内に保管されていた12枚の襖は17世紀頃の手法による水墨画(龍、虎、雁、松)が描かれており、傷みが甚だしいため、すべて補修のうえ再用されています。
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